このたび、主の導きによりまして『創造主訳聖書』が出版の運びとなり、心より主に感謝しております。
私は以前より、堀越先生が「神」を「創造主」にしたいという考えを持っておられることを知ってはいましたが、3年ほど前に、堀越先生から「出版の道は開けないだろうか?」とのお話をいただきました。
また近年親しくしていただいていたオンヌリ教会のハ・ヨンジョ先生(故人)からは、「オンヌリ教会を今日あらしめた主な要因は、創造論に立って創造主なる神を宣教したことにある」と伺っていました。信徒に創造論をしっかりと教え、それによって教会は成長したのだと言われたのです。
そこで、ハ先生に堀越先生のビジョンをご説明すると、実はハ先生も堀越先生をよくご存じで、「いよいよそれを実行に移す時が来たら、私もしっかり応援します」と言ってくださったのです。これが、このプロジェクトが一気に動き出すきっかけとなりました。神様の時が来たのだと思いました。
このような働きをする場合には、財政問題が重要になってきますが、オンヌリ教会をはじめとして、様々な方が献金の約束をしてくださり、解決の道が開かれました。
聖書の訳については、既にさまざまな聖書翻訳プロジェクトが動き始めていましたが、委員会で検討した結果、『現代訳』を出しておられる尾山令仁先生にお願いしてはどうかという話になり、尾山先生にご相談に上がったところ、快諾してくださったのです。このようにして、二つの壁を乗り越えることができました。
出版にあたっては、「神」を「創造主」とすることへの疑問の声もありましたが、そのようなご意見を頂く中で、改めて出版の原点に立ち返らされることになり、この『創造主訳聖書』を99パーセントの未信者のため、福音宣教のために用いるのだとの思いを新たにし、出版への覚悟を決めた次第です。
この『創造主訳聖書』が、日本の宣教のために大きく用いられることを願ってやみません。
創造主訳聖書刊行会代表 峯野龍弘
峯野龍弘(みねの・たつひろ)
1939年横浜市に生れる。日本大学法学部、東京聖書学校卒業後、日本基督教団桜ヶ丘教会での牧会を経て、淀橋教会に就任、1972年より同教会主任牧師をつとめて現在に至る。現在、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン名誉会長、日本ケズィック・コンベンション中央委員長、日本プロテスタント宣教150周年実行委員長などの任にある。名誉神学博士(米国アズベリー神学校、韓国トーチ・トリニティー神学大学)。